ルール・トリエンナーレ2003にBochumで行われた、Die Zauber Fluete(魔笛)をDVDで鑑賞。

これはスペインのパフォーマンスグループ "La Fura dels Baus"と演出家Alex Olle&Carlos Padrissa版。今までいろいろなDie Zauber Flueteを見てきたが、どんな現代的な演出でもやはり「気取り」はあった。

これにはそれがない!!
とにかくすごい!!



パパゲーノ、パパゲーナは真黄っき、タミーノとパミーナは真っ赤っか。ただ、これだけでもショックである。

舞台には透明なエアーマットが敷き詰められている。
序幕の後、映像により単語の大蛇に囲まれながらタミーノは戦う。
その後エアーマットがゆっくりと動いていって・・・
とにかく動く現代アートを見ているようであった。

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パフォーマンスグループらしい表現は、得意の機械(照明付き人間ローテーター)を使用するあたりか。
エアーマットというと椿昇&イテビアンの昔の作品を思い出すwarabiだが、この作品ではさらなる展開が待ち受けていた。
その上に乗れる、吊せる、曲げられる、中に入ってジャングルジムのごとく登れる、スクリーンにもなる、壁にもなる・・・という具合に。
映像も何台のプロジェクターを用いているのかわからないが、とにかく美しく、美術やソリストと絡み合い、何とも言えない効果を打ち出していた。(美術&衣装Jaume Plensa)

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そして、オリジナル・テキストの織り込み方も映像の表現も特異。「音声と視覚と映像が絡み合う」という表現が当てはまるだろう。
ああ、生で見ていたら本当に絡まれたんだろうなぁ。

喜劇だから笑いどころは多い。

しかしwarabiの笑いが止まらなかったのは、通常はおかしくないはずのところ。2幕夜の女王にザラストロを殺すよういわれたパミーナが苦しみながら彼に挑むシーンであった。
なんと黒ひげ危機一髪」さながら、ザラストロの顔だけ出でている箱にパミーナが剣を刺していくのだ。
これ、すごいでしょう?
とにかく、楽しめたこと間違いない。魔笛という作品は、見るものを幸せにする。



このシーズンも有名どころが名を連ねていた。
ウィルソン、ピナ、プラテル、ジーモンス、カバコフ・・・
もちろん、ほとんどがこのための新作。たしか、カバコフの参加する作品は、4時間の音楽劇で119人の音楽家、150の舞台装置、7人の登場人物と紹介されていた。これらを一気に紹介できるフェスティバルは、なかなかないだろう。