今年の Theatertreffenは Koeln ケルンの年 といえるほど、Schauspiel Koelnの作品が多かった。

先に書いた、Johan SimonsKasimir und Karolin

2つ目の Die Schmutzigen, die Hässlichen und die Gemeinen /Karin Beier

そして Die Kontrakte des Kaufmanns /Nicolas Stemann
(Thalia Theater, Hamburgと共同制作)


と今年選ばれた10作品のうち、3作はKoelnからということになる。


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2つめの演出家 Karin Beier は、warabiとしては初耳だったのだが、なんでもSchauspiel Koelnのインテンダントとなっている優秀な方だそう。

彼女の作品は、なかなかよく出来ていたと思う。

まずそれは、Thomas Dreissigacker の舞台美術によって成り立っていた。

それは・・・


die_schumutzigen
とっても重い、頑丈な防音コンテナは 本物ではなく舞台用



普通だったら耳に入れたくもない日常会話を、コンテナという箱に押し込めて防音し、窓を通して彼らが過ごしている様子を見るというアイデア。

コンテナは横に細長く Haus der Berliner Festspieleの舞台よりも若干長かったので、下手にあるSeitenbuehneという小舞台まで張り出し、客席を奥舞台に仮設して上演。

舞台と客席を仕切る鉄扉の内側は黒に塗られていず、銀色なので新鮮。これが背景となる。


あまり日常を知られることのないある下層の人々(直訳的な表現ですみません)
10人以上でこのコンテナで共同生活をしているようだ。

ドアや窓はきっちりと閉まっていて、なにか会話しているようだけれど、全く観客のwarabiたちには聞こえてこない。
しかし、いくつもある大きな窓ガラスを通して、中で生活している人々の様子はよく見える。

車イスに座って、ガラスクリーナーを飲もうとする人
ずっと電話ばかりしている人
起きたばかりなのか、パンツ姿で歩き回る人
下着姿のまま座っている人
暴力が得意な大男
トイレから出てきておしりが半分見えている人

などなど・・・

観察している(覗いている)と、力関係や執着しているものも見えてくる。
共通点はどの人もお金に強い執着を持っているということ。

この単純な仕掛けが、ドラマを生む。

あまりに見ていられないほど赤裸裸だったり、聞こえないけれどわかってしまうだけに「聞こえなくてよかった!」と思うwarabi。

この演出でなかったら、どうやってこのような作品を2時間見ていられるのだろうか、と思えるほどよく出来ていたと思う。

彼女の他の作品も是非、見てみたい。


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そして、TT最後の作品。

Die Kontrakte des Kaufmanns von Nicolas Stemann。
これはSchauspiel KoelnとのCo-produktionにより、Koelnで初演が行われ、Thaliaのクルーにより再演されている、4時間もの超大作作品。

2008年のリーマン・ショックによる経済が話題。いかにEuroの強さを示せるか、ドイツがリーダーシップを保てるか、など様々な方向からテキストを書いたElfriede Jelinek イェリネック。何度もテキストを追加したりして、あまりの適す炉の多さに、毎回上演時間も3時間半程度から4時間くらいと大幅に変わるらしい。

下手前には「99」と表示された電光掲示板。
役者が読み上げてページをめくる度(実際はテキスト紙をめくって投げ捨てる)、数字が減っていき、全て読み終えると「0」になるという仕組み。

Regieanweisung(演出の指示)を読む担当もいて、観客へ注意点や指示をおもしろおかしく伝える。

例えば、

「この芝居は4時間と長くて・・・・、でも舞台上では休憩を取らないで通して行うので、その代わりに観客の方達は自由に出入りしてもらい、いつでも休憩を取ってください。ドアは上演中も解放してあります。飲み物や食べ物は普通劇場内では禁止ですが、本日は許可されています(大拍手!)・・・」

という具合。

やはりStemannはすごいのか。

やはり、、、4時間は長い。
Muenchenの "kleiner mann”芝居と違って、見せる(見入る)芝居ではないから、なおさら長く感じる。
テキストのよさを解れば、また違うのだろうけど。

ということで、warabiは途中でご飯休憩♡
この後、夜中過ぎまで撤去だったので、夕飯は大事!

でも、もちろん最後の大展開はちゃんと見ましたよ。
「Hamburgの観客はコンサバなので、Berlinは食いつきがすごかった」と、スタッフが後に語っていたように、ゼクトを買いに (!) 出入りしていても、最後満員だったので誰も帰ってはいなかった様子。

いや、カーテンコールもすごかった!!





あっという間にTT終了。

この後 撤去、引っ越し、劇場改修第2弾となります。。。