今年もまた始まっている、Berliner Theatertreffen2011



外から見ると、「毎年同じよう」に見えるかもしれない。

しかし、今年だけは違うのだ!

いつも以上にバタバタしているのは、もう1年以上も続いている劇場の改修が、終わるはずだったのに終わっていないから。
TTの準備が始まっても、実は観客用トイレのどれも使用可能ではなく、去年末から今まで使用できるトイレは劇場内で男女ひとつずつだった。

技術系でいえば、多くが丸ごと入れ替わるほどに変化したのだが、その機能もプログラムが完璧ではなく、いろいろと問題ありなまま使用している状態。
日本だったら受け渡し期日はきっと何よりも優先されるだろうけれど、ここドイツはそんなところもちょっと違う。
「こんなことでいいのか!」とも思うけれど、突貫工事で無理矢理終了するよりはいいのかな。


TT始まって2週間が経とうとしているけれど、もちろんまだ手つかずになっているところも多い。



decke



ホワイエの天井は、まだ化粧板がない状態。
物を吊るのには以外に便利さ!


もちろん照明器具なども最終的ではない。
空間照明、非常時灯も含め、普通の裸電球がいろんな長さのケーブルにぶら〜んとぶら下がっているだけだった。あまりにひどいので、現在は黄色(今年のTT色)のバルーン型シェードがついている。



さて。
このポスターたち。
今年選ばれた、
優秀なドイツ語圏演劇作品10作のポスターであるが・・・



derbiberpelz
Schwerinのポスター


今年はなんと、毎年招聘されている タリア劇場・ハンブルクやブルク劇場・ウィーンなどの有名どころの作品ではなく、ドイツ国内最過疎地 Mecklenburg-Vorpommern 州(warabiたちの田舎のある!)Staatstheater Schwerin やらルール地方の Oberhausenから、初参加の劇場作品が目につく。


異色の作品だなぁと思っていたら、演出家はどちらもHerbert Fritsch

来期から新しい芸術監督がやってくると決まっていることから、審査員たちも肩の荷を降ろして、このような異色を持ってきたとwarabiたちは睨んでいる。


Fritsch(フリッチュと発音)は、元Berliner Volksbuehneの俳優であったことや、俳優業以外のマルチな活躍で知名度がある。この度の2作とも、演出&舞台美術の両方をこなしているマルチぶり。

Fritschワールド満載!

彼の演出的な評価は、warabi的には今回が初めてなので特に書き留めないでおく。
大御所のパイマンは、彼のプレミエを見にきて、罵って帰っていったけれど、あれはあれでどうなのか。コンサバなベルリンの批評はあまり良くなかった様子・・・

Mくん曰く、「裸になって舞台を汚すだけが、Hochkultur ハイソな芸術文化ではない」と。確かに!


Der Biberpilz は1880年頃のベルリン近郊を舞台に社会批判ドラマとして書かれたもの。
それをPlattdeustchといわれる低地ドイツ語 やSaechsisch ザクセン訛りをたんと織り交ぜ、カラフルにコミカルにリズムよく演出していた。(ドイツ人の同僚でも聞き取れないんだから、warabiが聞き取れなくて当然!と、実は非常に気が楽だったという事実。ちなみに、Mくん笑いっぱなし。)


地方の州立劇場だからと馬鹿にしていた訳ではないが(本当か?)、俳優陣の腕が立つこと。
見ていて恥ずかしくない、コミカルな演技って案外難しいのよね。いやぁ、本当にすごい!!
改めて、ドイツ演劇文化の奥深さを知った気がするwarabi。
地元の劇場にはまだ足を運んだことはないが、時間があったら是非行ってみたいなと思わせてくれる腕前なのであった。



nora
Oberhausenのポスター



そして、もうひとつのFristch作品
Theater OberhausenNora oder Ein Puppenhaus

イプセンの「人形の家(ドイツ語のタイトルはNORA)」はあまりにも有名で、どこの劇場もきっとこの作品のレパートリーは持っているのではないか、と思われるほど。

この作品は本日Premiereなのでまだ拝見していないが、
とにかく、なによりも、どこよりもすごいのは、嬉しくて嬉しくて "Theatertreffen用のポスター" を作ってしまったという,
 ”意気込み" である!


作品のタイトルよりも大きく書かれているのは

Berlin, Berlin,
wir fahren nach Berlin!


「ベルリン、ベルリン、
私たちはベルリンに行きます!



その下には、
「私たちは、Berliner Theatertreffen 2011に招待されました!」


そしてやっとタイトル


左端の星の中には
Der Theater-Oscar fuer Oberhausen
「劇場のオスカー賞が オーバーハウゼンに」

さすがに、オスカー賞にはみんなで笑ってしまった!
ここまで喜んでもらえると、迎えるこちらも嬉しいよね。


Oberhausenなんて、Ruhrtriennaleというフェスィバルに毎年仕事に行っていなかったら、街の名前さえも知らなかっただろう。小さな街だからこそ、こうして盛り上がれるんだろうな。

Schwerinにも同じことが言える。
Der Biberpelzのポスターも(TTのポスターではなく)街中あちこちに貼られていることでも、「折角ベルリンに来たんだから」という意気込みを感じられる。こちらは本日千秋楽だが、チケット完売は嬉しいニュース。


こんな風な、いつもとは違うTheatertreffen
あと1週間で終了となる。