芸術監督が変わり、Haus der Berliner Festspiele が発信する冬のフェスティバルは、今までの ”spielzeit europa” から ”Foreign Affairs” となった。


その巻頭を飾るのは日本の作品。
Marino Formennti in Mobile Haus von Kyohei Sakaguchi


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大きな木が屋根から突き出ている エコな家


劇場の入り口左側に、
くず材で囲われたカスタニアの家(劇場前のカスタニアの木が家の中に生えている、というか家から突き出ている)が出現。

これは数年前「0円ハウス TOKYO」で話題となった、ちょっと風変わりな建築家: 坂口恭平の新プロジェクト ”Mobile Haus”の一部である。


家の中にはピアニスト Marino Formenti が3週間(フェスティバル中)住み続けるという、アート&パフォーマンス。



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家の中の様子 (取材中)



観客は、窓からのぞくことはもちろん、家の中に入って、彼のピアノを弾きながら寝そべったり、居眠りしたり、また観察したりできる。そこまでは行けないよ、というかたもこちらの Livestream からライブ画像を閲覧できる。

60人まで収容できるというけれど、10人くらいが寝そべって彼のピアノを聞き入るくらいのときを見計らって是非聴きに来てほしい。



劇場のフォワイエがオープンしている時は、
フォワイエの2階にある坂口恭平展を是非!



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家の下にコロが付いているから移動可能!


ある路上生活者が自ら考案して、持ち運び可能なパーツで建てたという家の見取り図や写真、恭平氏のペン画、恭平風モバイルハウス実物などが閲覧できる。


今回のヨーロッパツアーには、ご家族も全過程同行。

普段は家族のいる熊本から仕事で東京に飛ぶなど多忙であるため、日本国内で仕事する彼の側に家族がいられることはほとんどないという。

お父さんと一緒に旅することが出来て嬉しいからなのか、それともただとってもオープンな子供なのか、娘のあおちゃんは始終ご機嫌だった。4歳の女の子が外国人を見ても物怖じせず、しかも和食以外のごはんでもOKというのはなんだかとっても逞しく思える。本当に伸び伸びとしていて、将来が楽しみな子だ。

フェスティバルのオープンにともなった彼の初日祝いは、とても良い雰囲気だった。
こんなにいい雰囲気のパーティーも珍しい。彼の人柄、そして彼の作品、周りの人々の温かさが伝わってくるような、そんな感じ。


次にどんな作品に挑むのか、見る側の期待が膨らむ。
坂口恭平、目が離せないアーチストのひとりである。