「Sushi in Suhl」「ズールの寿司」/ドイツ映画 を見た。

DDR 旧東ドイツに唯一存在した、日本料理店で起こった実話を基にした映画である。






70年代の東ドイツ。

チューリンゲン州ズールは、当時武器工場で有名だった小さな街。そこにある、HO という国営商業団体経営のWaffenschmied ヴァッフェンシュミード(直訳で武器製造)というすごい名前のドイツ料理レストランが舞台である。

アンシュッツ氏は、料理長であるが、料理アーチストとして奮闘している毎日。23年目の記念日に研究を重ねた黄金虫のスープを出して大目玉をくらう。

その後、彼はある日本人の大学教授と出会うことによって、探究心が燃え上がり日本料理創作へとのめり込んでいく・・・

人気の原因は、ただ珍しいからというだけでなく、最高のもてなしにもあったであろう。彼の探求は日本料理だけでは飽き足らず、混浴銭湯に浸かってから、食 事をとるという日本人の生活習慣まで取り入れると言う熱の入れよう。レストランに入りたいという長蛇の列なんかには関心を示さない。定員12名を店内に入 れた後、「2時間後に次の12人をいれる」といって、店のドアを閉めるのだった・・・

最終的に、年間15トンの食材を日本から輸入し、従業員数52人を雇用するまでに成長。壁が開くまでの間に、2百万人ものゲストをもてなしたという。


東ヨーロッパ以外の国とは国交を開いていなかった東ドイツで、まさに奇跡としか言いようのないこの店の存続と発展に、warabiは見ている間も驚きを隠せなかった。実際シュタージなどに目を付けられていただろうけれど、口コミであまりに有名になりすぎて 黙殺できなかったというところだろうか。


話自体は、作り話かと思うほど偶然が重なったような流れだが、実話だと言うことで重みが加わっている。しかし重すぎずに、コメディーのような軽いタッチに好感が持てる。

東ドイツらしい生活風景(権力のある相手に合わせて意見がコロコロと変わるところや物々交換シーンなど)も、見所のひとつ。例えば、バナナやオレンジなど貴重な輸入品を手に入れるために何時間も並んで待つということは、日常茶飯事だった東ドイツ。そんな背景を頭に入れておくと、よりこの映画を楽しめるだろう。




warabiの東ドイツ映画コレクションに、またいい作品が加わりました♡
お勧めです!!