warabi's tagebuch

カテゴリ:アート Kunst > オペラ Oper

ご覧になる予定の方は、ネタバレになるのでご注意を!


+

創作オペラ "Gisela!" GP。


素晴らしい!


久しぶりに揺さぶられる作品に出会った。
駆け込みセーフをしても、疲れていたのを無理して観に行ったかいがあったというものだ。


Hans Werner Henze 作曲
Pierre Audi 演出

Ein Alterwerk als Nuschoepfung fuer die Jugend mit der Jugend.
若者と一緒に作る若者のための、新しい創作としての、ひとつの老人作品



大御所たちの力の出し用は最もなのだが、それに若い力も加わり、なんとも前代未聞なモンスター作品を作り上げた。

warabiの注目は若い力、舞台&衣装担当のChristof Hetzer。
RTのなかでも、最も美しいインダストリー・ホールのZweckel Maschinehalle/Galdbeckが会場。

そのアールデコ調の雰囲気を上手に使った舞台美術、誰も思いもしなかったサイトラインの客席。
全てがアジメトリッシュな装置で、舞台を見た途端に「なにかが落ち着かない、普通じゃない」と感じさせる作戦。

音楽も、アーチストも、舞台美術も、照明も、そして空間も、全てが緊張感と調和を保ち、観客はそれに引き込まれていく。

Wege der Liebe.

誰もが各々の歴史の中でドラマを展開してきたといえる、駅のホームをメイン舞台に、愛のお話が展開。

印象的な音楽、ユーモア、嘆美、エンターテイメント(これ意外に難しい)、そして技術をエッセンスに加え、瞬きをする暇もないくらいの流れで舞台は進行する。

美しいだけではない。
チープな笑いも、悪夢も、シビアなシーンもひっくるめて素晴らしい。

予想もしなかったという表現でいいのか、いい意味で "裏切られる"ことしばしば。
誰がこんなこと考えたか。
なーんで、こんな風にイメージできたのか。
warabiなりに3年前(そこで働いていたのね)を振り返りながら、やられたなーという思いばかりがぐるぐる巡っていた。


制作に関わるアーチストも、スタッフも、そして観客も年齢層が広く、みんなが楽しめる。満足できる。

これは、やはり基本ですな。





写真がご覧になりたい方は こちら




9月25日世界初演、10月8日まで。
ご興味のある方は是非!


BochumのJahrhunderthalleで、"Leila und Madschnun"/Ruhrtriennale
というオペラの仕込み中。

稽古のあるときは遅番で、週末は早番に変わったりで、ちょっと生活のリズムが狂い始めているかな。



"ライラとマジュヌーン”
と聞いても、ピンと来ない方も多いだろう。
元は同名の中東の古典的恋愛物語で、きっと誰でも知っているくらい有名な話のよう。その中のニザーミー作の話をオペラ化したと思ってもらえればいい。

wikiによれば

約4,500句からなる。アラビア半島ナジュド地方のベドウィンの若い男女の悲恋を描いたロマンス作品。ベドウィン首 長家の姫君ライラーと、彼女を恋焦がれて求めるあまり狂人(マジュヌーン)となった同じくベドウィンのアーミル部族長家の貴公子カイスを主人公として、そ の悲劇を描く。高名な頌詩詩人ハーカーニーの庇護者であったシルヴァーン・シャー朝の君主アフサターンの依頼に応じて作詩された。1181年作詩。
演出は、このフェスティバルのインテンダントでもある Willy Decker

去年の "Moses und Aron"では動く客席という志向だったのだが、今回もビックリの仕掛けがたくさんある。


テーマは「砂」。
なんと、500トンの本物の砂が使われているのだ。
敷地には、まだ100トンの予備の砂も置かれている。


sand




迫力あります!

500トンは!!

ルール・トリエンナーレ2003にBochumで行われた、Die Zauber Fluete(魔笛)をDVDで鑑賞。

これはスペインのパフォーマンスグループ "La Fura dels Baus"と演出家Alex Olle&Carlos Padrissa版。今までいろいろなDie Zauber Flueteを見てきたが、どんな現代的な演出でもやはり「気取り」はあった。

これにはそれがない!!
とにかくすごい!!



パパゲーノ、パパゲーナは真黄っき、タミーノとパミーナは真っ赤っか。ただ、これだけでもショックである。

舞台には透明なエアーマットが敷き詰められている。
序幕の後、映像により単語の大蛇に囲まれながらタミーノは戦う。
その後エアーマットがゆっくりと動いていって・・・
とにかく動く現代アートを見ているようであった。

a2f267a4.jpg


パフォーマンスグループらしい表現は、得意の機械(照明付き人間ローテーター)を使用するあたりか。
エアーマットというと椿昇&イテビアンの昔の作品を思い出すwarabiだが、この作品ではさらなる展開が待ち受けていた。
その上に乗れる、吊せる、曲げられる、中に入ってジャングルジムのごとく登れる、スクリーンにもなる、壁にもなる・・・という具合に。
映像も何台のプロジェクターを用いているのかわからないが、とにかく美しく、美術やソリストと絡み合い、何とも言えない効果を打ち出していた。(美術&衣装Jaume Plensa)

7629a29b.jpg


そして、オリジナル・テキストの織り込み方も映像の表現も特異。「音声と視覚と映像が絡み合う」という表現が当てはまるだろう。
ああ、生で見ていたら本当に絡まれたんだろうなぁ。

喜劇だから笑いどころは多い。

しかしwarabiの笑いが止まらなかったのは、通常はおかしくないはずのところ。2幕夜の女王にザラストロを殺すよういわれたパミーナが苦しみながら彼に挑むシーンであった。
なんと黒ひげ危機一髪」さながら、ザラストロの顔だけ出でている箱にパミーナが剣を刺していくのだ。
これ、すごいでしょう?
とにかく、楽しめたこと間違いない。魔笛という作品は、見るものを幸せにする。



このシーズンも有名どころが名を連ねていた。
ウィルソン、ピナ、プラテル、ジーモンス、カバコフ・・・
もちろん、ほとんどがこのための新作。たしか、カバコフの参加する作品は、4時間の音楽劇で119人の音楽家、150の舞台装置、7人の登場人物と紹介されていた。これらを一気に紹介できるフェスティバルは、なかなかないだろう。

YouTubeにて、 Sasha Walz演出のオペラ"Dido und Aeneas"を発見。ドイツではもう放映されたのね。羨ましい。。。

パーセル唯一のオペラ「ディドとエネアス」、バロック音楽と調和したSashaの演出を少しだけ覗くことが出来る。

舞台場に巨大な水槽、この幻想的で存在感のある水槽のシーンはカットされている。
客入れ時から舞台上にある巨大な水槽は、オペラの演出とは思えない思い切りがあり、何が起こるのだろうかという期待を持たせてくれる。

彼女も言っていたとおり、ソリストにも振りをつけてダンサーと一緒に踊らせ、ダンスとの調和を考え、美しい作品として仕上げた彼女の傑作を見ることができる。

Viel Spass damit!

2e2f9c32.gif
 少し前に録画しておいたコベントガーデン国立歌劇場の「The Magic Flute」を見る。

warabiは「魔笛」が大好きなのだが、なんというか、とても古典的な演出と闇(なんだけど)すぎる照明で、がっかり(カーテンコールは割れんばかりの拍手だった・・・)。なぜなら、ソリストの顔がよく見えないから。生で見るとそれはもちろん違うのだろうけど。。。
音楽は素晴らしく美しいのだが、やはり総合芸術なのだから全てが揃ってほしいと、warabiは思うのだ。
改めて「光は大事」と心に刻む。

今まで見たなかで音楽も演出も一番よかったのは、ベルリンのDeutsche Operの2002年に見た「Die Zauberfloete」(さすがドイツ!)。
夜の女王は今一歩だったが、パパゲーノが素晴らしかった。
昔のメモを引っ張り出してみてみる。

モダンな美術に大胆な演出、シーンが変わるごとにワクワクした素晴らしい作品だった。
こんなオペラをもう一度みたい!

"Die Zauberfloete" in der deutschen Oper Berlin

音楽監督:Christoph Ulrich Meier
演出:Guenter Kraemer
舞台&衣装:Andreas Reinhardt
照明:Ulrich Niepel

このページのトップヘ