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天気はいまいちだったけれど、
二人一緒の休みはこの日しかなかったので、今年中にベルリンでやっておかなければならないことをシラミつぶしに実行し、行きたかったクリスマスマーケットへも強行する。師走だから、ね。


旧東ドイツ時代とは打って変わって、今ではおしゃれな地区と言われている、Prenzlauer Berg プレンツラウアーベルク。
"何万円もする赤ちゃんの服がお店がある"とか、ないとか。



Kulturbrauereiは、ビール醸造所跡地をそのまま文化施設にした、雰囲気のある一角。
そこで毎年行われているのが、このクリスマスマーケット



kulturbreuerei
交差点にそびえ立つ塔が目印


時代を感じさせる、赤と黄色のレンガ倉庫。
こんな風景があちこちに点在するのも、ベルリンの魅力のひとつ。



misteln
宿り木の時期でもある



敷地に入ると、すぐに宿り木を発見。

クリスマスのこの時期、新鮮な Mistel 宿り木には、このように白い実をつけているものが見受けられる。

「生命力のシンボル」とも言われる、宿り木はクリスマスのリースにも使用されるのだ。
特にクリスマスマーケットでなくても、街角や花屋で入手することが出来る。

宿り木が宿っている木をよく見かけるけど、結構高いところに宿っているのよね。あれを誰がどうやって摘むんだろうかと、眺めながら思ってしまうのだけれど、プロがちゃんと摘んでくれるんだから、気にしない気にしない。。。




weihnachtsmarkt
北欧のものが置かれているお店



このマーケットには、北欧のものが多く置かれている。
北欧のはちみつ、といわれても違いが分からないけれど、小物はなんだか素敵よね。
トナカイヘラジカの飾り、などなど。


そして。

寒くなったら、Gluehwein グリューワイン と暖房で暖まろう



gluehwein
ヘラジカ頭のグリューワイン屋さん



このお店にはBratapfelgluehwein 焼きリンゴのホットワインがあったので、今回はそちらをいただいてみた。
そおね、リンゴワインのほのかな香りがするけれど、やっぱり香辛料のたっぷり入った赤ワインの方がwarabiの好みかな。



heizung



「暖房」と言っても、野外のこんなパフォーマンス。


白いパラソルの下にはコートが引っ掛けてあり、コートをめくるとなんとヒーターに板を渡した簡易イスになっているのだ。
そこに座って、コートに包まれて、暖を取ると言う仕掛け。


ここには毎年あるんだけど、
面白いので、ついつい座ってしまうのである。



doppelmantel
ハイ チーズ!



毎回楽しく座っていても、記念写真を撮ったのは今年が初め。

ブレブレだけれど、これも記念さっ。




田舎からベルリンへの帰り道、Schloss Charlottenburgのクリスマスマーケット に立ち寄ってみた。



charlottenburg
シャーロッテンブルグ城 クリスマスマーケット
入り口から望む




あちこちいろいろと見て回っているはずなのに、今まで一度も訪れたことのない、ここのクリスマスマーケット。
観光地のお城は、どっぷりと原色で染められていてちょっとビックリしたけれど、なかなかいい雰囲気のマーケットだったので、是非ご紹介したい。





charlottenburg_py
中心に置かれている巨大ピラミッド



スタンドの善し悪しで、マーケットの雰囲気が決まってくる。
もっと言ってしまえば、それが取り仕切るところの手腕でもある。


客である側のwarabiからすると、
クラシックな定番品は、買わなくてもやっぱり雰囲気もあるし絶対大事よね。

でも、どこにでもあるような似たようなものではなくて、"ちょっと変わったクリスマスもの" という個性もほしい。
(全然わがままじゃありませんよー)


そんな意味で、こちらのミラミッドはすごかったわ〜〜〜 ☆ 


HOKA RUEBENAU



pyramide
クリスマスといえば、これ!



クリスマスピラミッド
は、置き型の台に蝋燭を灯し、その気流で上部のプロベラを回す仕掛けなのだが、こちらは吊り下げタイプ。

しかも、蝋燭を使用しないのである。
では、どのように気流を作るのかというと、暖房の熱気流でくるくる回る仕掛けなのだ。
これなら、蝋燭が点いているからと気にしなくてもいいね!

もちろん、彫りもしっかりとした作り&仕上がりで、いい感じ。
大きめだから、存在感はバッチリだし。

そんな訳で。

「これ、クリッペコレクターにはたまらないよね!」と言ってはみたものの、
お値段もなかなか・・・いいよね・・・。

=== 考慮中 ===



そして、ふたつめのお勧め。
ショップ HOT + COLD

知らなかったけれど、こちらベルリンにあるお店なのね。
ちょっと小粋な、そして小さなプレゼントを探すなら、絶対お勧め!!!!
こんなお店、ベルリンにあるのねーーー

ああ、
ハマってしまった。。。


便利な木製動物シリーズ (機械加工だけれど)
木のぬくもりで暖かさを感じさせるし、手作りじゃないからとてもお手頃価格。




topfwaechter
お鍋の蓋を押さえてくれる「吹きこぼれ防止動物

zahnpasta
歯磨きチューブを巻いてくれる編


かわい〜い。
あれにしようか、これにしようか。
あーん、またちょこちょこ買ってしまいそう・・・


そして、お☆様 が気になるwarabiには、ツボだったこちら。



sterne
動物の星形編



猫の星形とリスの星形。
トナカイもかわいかったんだけれど、鍋蓋おさえをトナカイくんにしたので、そこはぐっと我慢。
まぁ、ひとつ2Euroなんだから、ぐっと我慢なんてしなくても良かったかな(笑)?



最後に、ものすごい"凝り性な"こちら。


さて、みなさん。
こちらは「何屋さん」だと思われるだろうか?



schrott02
水道の蛇口や穴開け用のキッド

schrott
レンチやネジ、金具部品など



正解は「チョコレート屋さん」

ウィンドウぜ〜んぶが、こ〜んな錆びた仕上がり。
いわゆる "金属ゴミそのもの"、なのね。

目にして、すぐに釘付けになりましたよ。
そして、褒め言葉は

「So ein Schrott!」

なんていう(すごい)金属ゴミなんだろう

と、なった訳。


いや〜、こちらではもう アドレナリンがぶわ〜っと上がりましたよ♪
もちろん、Gluehwein グリューワイン飲んでましたけれど、ね ♪ ♪ ♪
(注:酔っぱらった訳ではありません!)


非常に 楽しゅうございました〜



先のメクレンブルク州選挙では、どこかの村では 3人に一人が NPD(ナチス) を選択したという事実 (ちょっと驚き!!) もあったりしたけれど、当事者の話を聞けば それも当然の結果といえば結果。

彼らは、どの政党も彼らには生活の保障も仕事も与えてはくれなかったから、とほかの可能性を探ってみただけのこと。社会が変われば、、、と、"政治を動かす" というのはこういう流れなのだよ、きっと。



今回のベルリン選挙でも、ある意味そんな民意が反映されているといえるだろう。

こちらでは、なんといっても Piraten Partei 海賊党 という 、新しい党の躍進が話題になっている。
結束1年くらいの完全アマチュア社会派で、昔の緑の党を彷彿させる登場であった。

今まで もちろん0議席だったこの党は、この度議席の9%を勝ち取り、なんと15人の党員全員が議員となった。
この議席数が党員数を上まっていた場合、全議席認められずに、空きとなっていた可能性も。
まぁ、彼らにとっては、何重にも幸運が重なったといえるこの選挙。


海賊党 の目指すところが面白い。

国民全員が毎月基本生活金を受け取れるようにと主張し、必要な場合は、個人で稼ぐこともできることができることとするという。
さらに、地下鉄は無料にし、教会と国を完全に分離させることなど。

 選挙後、海賊党のプレス担当は名刺を携帯していなかったため、自分の電話番号がわからなかったという笑い話も。
さらに、リーダーを全員の名前を箱に入れくじ引きで決めたという逸話もある。


この15人がどんな活躍をしてくれるのか、ニュース欄がにぎやかになること間違いなし。今後がとても楽しみである。



偶然にも、"ダイスをころがせ!" (真保 裕一著) という選挙小説を読み終えたばかりの warabi には、タイムリーな内容なのであった。。。


壁崩壊から20年が経ち、今もなお ベルリンの壁を忘れまいとする動きがあちこちで見受けられる。

ドイツ国内で、失業保険を恒久的に受け取っている6割がベルリーナーであるという事実以外にも、厳しい現実を突きつけられて経済危機に陥っているベルリンであるのに、ベルリンの壁が合った事実を知ってもらおうと、観光客が無料で鑑賞できる展覧会場をどんどん整えている。すごいわぁ。


Bernauerstrasseでは、「もう一度ベルリンの壁を」と、Gedenkstaette Berliner Mauer が誕生。こちらはほぼ完成。

S-bahnの Nordbahnhof 北駅 に近い Besucherzentrumでは、どこで何が見えるのか教えてくれ、地図を渡してくれる。


gedaechtnis
Zentrumの前の慰霊碑



そこから
Bernauerstrasseを200mほどいくと、塔のあるDokumentationszentrumに到着。展示場だけれなく、塔にも登れ、目の前の記念建造物のBerliner Mauerを一望することができる。



denkmalJPG
記念碑の2重壁と監視塔



BernauerstrasseとAckerstrasseには、教会や古い墓地があった場所にもかかわらず、東西の境界線となってしまった不運な場所。墓地のレンガ壁は壊され、教会は見張りのため見通しが悪いからという理由で取り壊されたのだった。


書き始めると長くなるので、さらに興味がある方は "online Focus"へ。
精巧なアニメーションフィルムにて、壁の仕掛けなどについて説明されているので。


北駅構内には、
当時の地下鉄の様子が展示されている。



u-bahn
当時の地下鉄路線図



壁に「ゴースト駅」と呼ばれたPotzdamplatzの駅は、壁の真下にあったため、電車はノンストップ。

監視員以外はホームに存在しなかった、緊張感漂う写真や、地下鉄作業員が西への逃亡に成功した例なども紹介されている。


ああ、
友人に Denkmal fuer die erdordeten Juden Europa (名前が長過ぎ!)も見せてあげたかった。。。
是非、また来てね・・・




自転車で街を駆け抜けていると、警察車両によって道が塞がれている。

「これじゃ、家に帰れないじゃないか!」

と文句をいい、仕方なく自転車を転がして歩道を歩いていくと・・・


楽しいドイツ音楽 Schlager にのせて

Demonstration デモ行進中〜



demo01
demo02
司会は国防大臣にインタビュー?


しかも、トラックの山車に生バンド

チラシを配る人も一緒に歩く人も笑顔、笑顔 !?



はて?
なんのデモかと思えば、Amok-Parade (← 写真あり)と称した


「アフガニスタンへの派兵反対!」


であった。




maeh



羊は「メ〜ェ」といい



reich



黒のメルセデスに乗った毛皮のお姉さんは、

こんな 500ユーロをばらまきながら

500euro

メルケルさんのブー顔紙幣



Wir sichern unsere Weltmacht!
我々は我々の世界的強国を守る!

Ich gebe alles von mir~ 全て私からあげるわよー (しかしドイツも財政難!) と叫ぶ。


「それとともに、no.1になろう(1番が好きな国民性)
DHL - Deutsche Heeres Logistik 宅急便サービスを文字ってドイツ兵隊サービス
「ドイツ連邦国防軍が 我々の鉱山の利益を確保する」

という意味のジョークもあった (アメリカほか 世界中が狙っているものね)。


配布チラシも 凝っていた。

片面はかわいい羊と楽しいジョークをちりばめたメッセージ、もう片面は超まじめなもの。もちろん、まじめな方がメインだろうけれど。



こんなに楽しい雰囲気の反派兵デモを思いつくなんて、ドイツ人のジョークはいただけないけれど、なかなかよいセンスじゃないの。


そう配布員のおじさんにいったところ、
おじさんも笑いながら

「自分たちもいろいろ考えたんだよ。
どうやったら、このメッセージが届くかってね。」


素晴らしい!




日本もアフガンに派兵している参戦組(国内では人道支援といっているけれど、海外から見たら戦争しているのと一緒)
でも、日常的に自覚がないよね。恥ずかしいことに・・・

本当に日本の将来はどうなるんだろう。



puppe
ドイツ兵人形も オペラ座の前で笑って手を振る



しっかりと

 "今を生きるベルリン"
を見せつけられて、

遠い日本を振り返る warabiなのであった。。。

旧DDR時代の車、Trabi トラビ
トラバント (Trabant)というのが正式名称である。

繊維強化プラスチック(FRP)製。現在は排ガス規制などからエンジンはVW製となり、歴史文化財として特別に許可を得た車両以外は走行できなくなっているという。

ノスタルジックでかわいい外装や修理のしやすさなどの理由から現在でも愛好者が多く、なんでわざわざとは思うが、レースカー仕様に改造されたりもしているようだ。



さて、このトラビ。

街を歩いていると、このトラビに乗ってベルリンの街を観光するツアー "Trabi-Safari" に出くわすことがある。




trabi02

trabi01
"safari"というツアー名からか Trabiのキリン&シマウマ使用



ベルリンの壁崩壊20周年を機に始まったというのだが、乗っている側よりも連なったトラビを外から見る方が、かなりアドレナリンを上げる効果があると思うのはwarabiだけだろうか。


この車がほしいとは思わないけれど、まだまだ現役で活躍しているのを見るのは嬉しいな。


そして、
ホロコーストを知るなら リーベスキント建築の "ユダヤ博物館”がお勧め。


リーベスキントの両親はホロコーストの生き残りだという。
両親が生き延びなければ彼は誕生していなかった訳なのだから、彼にとってこの仕事は文字通りとても意味の深いものであったに違いない。

ドイツ人であり同時にユダヤ人であった被害者たちを表現するために、近代的なユダヤ人を象徴した建物と、バロック様式のプロイセン時代の法廷(先日書いた通りプロイセン王国は初ドイツ統一)を、簡単に橋を架けてつなげることなく、地下でつないだこと。

彼には全く別の歴史をもった二つの建物を繋ぐために、簡単に橋を架けることはできなかったという。


その深い深い溝は、博物館の展示品からもひしひしと伝わってくる。



schild
"ユダヤ人にはサービスは行わない"

vonjudenfuerjuden
"16時から17時までユダヤ人からそしてユダヤ人のために買い物を許す"

werjuden
"誰がユダヤ人か?"


warabiは多くの映画などで

「ユダヤ人からモノを買うな!」というシーンを見たことがある。

1番目の写真はまさにそれ。


2番目の写真では、ユダヤ人が日用品を購入するのにどれだけ苦労をしていたかがよくわかる。ユダヤ人の商店も同様であった。



3枚目の"誰がユダヤ人か?”では、
まるで血液型の家系図のように、ドイツ人(白)ユダヤ人(黒)から子供が生まれた場合を、それぞれの例にして表示している。

このほかに、"誰と誰が結婚してはいけないか"バージョンもあり。

こんなものが配布され、市民はこれを真剣に頭に叩き込んでいたと想像するだけでも恐ろしい。




最後にホッとする話題。

freievolksbuehne
歴史的に重要なポスター



展示も終盤のころ。

Freie Volksbuehne 劇場
のポスターを発見。

これは、warabiの働く Berliner Festspiele 劇場の昔の名前なのである。

Freie Volksbuehne劇場は、東ベルリンにある 有名な Volksbuehne am Rosa-Luxenburgplatzとは別の、西のVolksbuehneと呼ばれたところ。



piscator
左:Erwin Piscator 右:Peter Weiss




当時インテンダントであった Erwin Piskator エーヴィン ピスカートァは、Peter Weiss ペーター ヴァイスの" Die Ermittlung" 「追究」(アウシュビッツの裁判の過程を書いた)を上演。

1965年 10月19日。
それは、東西ドイツ全15劇場同時初演という前代未聞のムーヴメントを起こしたのだった (MecklenburgのRostock ロストックでも!)


vermittlung




当時のBFSの写真→ こちら



そういえば、BFS劇場に内に Pistcator-Logeと名のついた部屋があることに、気がついた。

そこは上手フロントの奥にある部屋で(客席から2階右手にある開閉式木製壁の向こう)、Piskatorがインテンダントだったころ、好んでそこから芝居を見ていたという話を聞いたことがあった。

今でもそこにテーブルとソファが置かれていて、壁には当時の彼にまつわる写真がずらっと飾られている。


日常的に、その部屋を横切りながら仕事をしているのだが、
ひょんなことからベルリンの歴史warabiの現実が繋がった瞬間なのであった。



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