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初春日和の日曜日。


fruehling
日の光に透けて 発光しているように咲くクロッカス


4月半ばだというのに、今もSchneegloeckchenが咲いていて、クロッカスも頭を並べて天を仰いでいる。
待望の春なのだけれど、自然はまだ春になりきっていなくて、冬の慣習もまだまだ継続中。


写真を見る限りでは庭も緑に見えるから「春じゃない?」と思うだろう。
しかし、この緑の正体のほとんどは「苔」と雪ノ下に埋まっていた冬を越した草たち。春になってグンと伸びる雑草を楽しみにしている羊たちにとっては、おいしくない、ただ緑に見えるだけの魅力ないもの。
クロちゃんの大きなお腹を見る限り、間違いなく今が大事な時で栄養も必要なはずなのに、この状態は本当に困ったものである。

羊小屋の干し草も残り少なくなり、おいしいふさふさの雑草が伸びるまでにはまだ数週間かかるだろうという判断から、この日この冬通算5度目の干し草購入を決断したのだった。例年は1〜2回なのだから、これはもう異例というほかないよね。どこも家畜を飼っているところは、餌代が高くついて大変である。



お昼頃には、もう初夏といってもいいくらいの陽気になり、Mくんの気分はノリノリ絶好調!!

warabiは、密かに ”何か意味のあることをしたくてたまらない病"と銘打っているこの状態。"意味のあること"とは、「しなくてはならないことが山ほどあるのだけれど、やることリストの優先順位上位を如何にこなせるか」という、みんなにとって意味のあることなのである。

午前中は羊にとって意味のあることをやり遂げたので、午後は誕生日間近の義母のためにテラス完成作業が採用された。



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素材を降ろしてきて、長さに切り、土台に並べて、タッカーでバンバン打っていくだけ。

テラスの床を仕上げるのはあっという間の作業だけれど、この石に囲まれた土台は義母が約1年かけて作った力作。腰のオペ後リハビリのために始めたプロジェクト。毎日1つ2つの石を運んで、砂を積み、足で踏むという、単純だけれど気の長ーい作業の賜物である。



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"カフェ シュナテライ" OPEN~


warabiは材を切る作業をしながら、合間にこんなものを用意。

手作りケーキを用意して 午後のコーヒーに友人を招待したので、軽いジョークのつもり。
車から降りた二人はちゃんとこの看板に気づいてくれましたよ〜 ♪♫



大分県にある、杵築武家屋敷を訪ねた時のことである。



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大原邸は、ゆったり弧を描いた茅葺き屋根が特徴の、200年以上前の日本建築である。


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その台所にて。

煙の燻しで茅葺き屋根の虫食いを予防しているという、ご老人に出会う。
30年に1度ふき替える茅を守るために、毎日この作業は欠かせないという。



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そんな裏技は、茅葺きがあるドイツでも知られていないと、Mくん。私にも無論初耳な話。
そういえば、茅葺き屋根を持っているTさんも、「運が悪いと虫がついて、ふき替えたばかりの屋根がだめになる」と、いっていたっけ。まぁ、ドイツよりも夏は温かい日本では、虫の繁殖はもっと深刻であろうけど。


お部屋を見て回っていると、日用品が置いてある居間で、ご老人が「これ、見たことあります?」と、声をかけて来た。



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みなさん、
この道具、なんだかわかります?


時代劇中に、小指をだして「女か?」といったりするシーンを見たことがあるだろうか?
人差し指をこの道具のような形に曲げて示せば?、、、、

そう!
「泥棒」のことを指すでしょう?

これは、昔の「鍵」なのだ!

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この戸は、閉めると開かなくなる、年代物 ”自動ロック引き戸”

それだけで、「わー、すご〜い」とwarabiたちが騒いでいると、彼はさっとこの鍵を細い穴に通して・・・

くるっと回して、引き戸を開けてみせてくれた。

「やってみますか?」

同行していた友人 iさんが、鍵開けに挑戦中、warabiは裏に回ってその様子を観察することに。




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引き戸が閉まると、垂直に仕掛けてあるかんぬきがレールにある穴にストンと落ちる。これで、まず戸に鍵がかかるのね。ここで、戸を引いてもびくとも動かないのは、大工さんの仕事がいいから!


注意深く穴から鍵を入れて(穴が小さいから 当然鍵自体を回しながら入れる!)
、手に持っている鍵を左に回し、かんぬきを上に持ち上げるようにしながら、引き戸を開けるという訳!



鍵自体が長い棒なので、かんぬきに引っかけるポイントを見つける棒の引き具合など、やってみると扱い方がなかなか難しい。
昔ながらの日本家屋に、こんな自動ロック機能があったなんて感激だなぁ。


しかし、この鍵を持ち歩くとなるとかなり大変だろうし、屋内に隠しておくって感じでしようしていたんだろうか。



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入場料金は200円。
でも、200円以上の体験をすることが出来た、大原邸なのであった。




前回のレポから随分と間が空いてしまったのだが、暖炉作りの完成までここで報告しておこう!

振り返りたい方は、こちら から。



本体がほぼ出来て来て、顔ともいえる暖炉の窓作り。
ここまでは、本当にさっさと積まれていったのだが、ここは慎重にという感じで 丁寧に切った石を積み重ねていく。



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レンガはこんな風に切っていく。

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レンガ色の粉が当たりに散らばる



冷たい風の吹く中、2日目のこの日、Mくんはひたすら石切の作業をしていた。
warabiは写真を撮って、そしてすぐ家の中へ。さ、さぶいっ

いや、ほんと頭が下がる・・・役立たずでごめんなさい。




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こうして、気を使う窓枠周辺も完成。

中を覗いてみると、きれいに保温石で囲まれた空間が見えるでしょう?
枠からぶら下がっているのは、ミネラル繊維。石綿みたいなもの。
この綿がある事で、熱で鉄枠が膨張してもクッションになり、組み立てたレンガを押して崩す事はなくなるという仕組み。



あら??
この穴は何かしら?

正解は・・・

暖炉と煙突を繋ぐ開口!!


煙突側の穴に、弁が見えるかしら??

この弁は、とても大切な役割。
火を使うときにはこの弁を開けて、炎が無くなり炭が赤々と燃える様になったら、この弁と窓を閉めて、空気の出ハケをなくす。そうすることで、炭に空気が行き渡りづらくなり、長い時間をかけてとぼっていくのだ。



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塔の天辺にこの仕掛け!


そんな大事な開口部には、掃除を可能にするための特別口を用意。

暖炉職人が焼き物職人に特注したという、暖かみがある飾り蓋♡


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これ、すごく雰囲気があるでしょう?
古代ものみたい。縄文テクニックだしね。


その蓋をはめて、はい完成。

2日目の夕方の図。

煙突の前に、塔が建っているのだけれど、正面写真だとわかりづらいのが残念。
その塔の一番上に、飾り蓋がはまっているんだけれど・・・




ofen
完成!


暖炉の本格使用は、最低3ヶ月乾燥させた後でなければならないのだが、
完成祝いのために小さな火を焼べるのがシキタリだとか。

その火と煙の状態を見て、きちんと通り道が出来ているか、確認するためでもある。



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祝い火


泊まりに来ていた友人と子供たちも呼んで、みんなで暖炉の前に集まり、シュナップス片手に乾杯〜♪
こうして、暖炉職人の仕事は終わるのであった。。。

その翌週のこと。
煙突掃除マイスターが、新しい暖炉をチェックしにやってきたそうだ。
暖炉を作る際は、必ず事前に場所や行程予定などの情報を煙突掃除マースターに届けなければならない。
暖炉完成の後のこのチェックで煙突掃除マイスターのOKがでれば、責任が暖炉作りマイスターから煙突掃除マイスターへ移ると言う訳。いわゆる、引き渡し行為ね。


今日、2日という短時間の作業で、このような完璧な暖炉を作る職人は少ないという。
今回も3人で3日間の予定だったのだが、Mくんの働きがよかったのか、2日で完成したのだった。
ご近所の暖炉職人は、10年前2週間かけて暖炉と薪コンロを作ったというし、これは超高速!!

煙突掃除マイスターは、彼らの仕事ぶりを見て
「あの若いのは、暖炉はちゃんと作れるんだ(あいつらはできるなという意味を込めて)」と言ったそう。


・・・ということで、現在はゆっくりとロームを乾燥中。
「いろんな人が、入れ替わり立ち代わりにやってきて、暖炉を見せてくださいというのよ」と義母。

それを聞いて、Mくんニンマリ。
事無いごとに、暖炉のある部屋まで行ってはその前でニンマリ。

warabiがニンマリするのは、寒〜い冬がやって来て、暖炉に寄り添って暖を取る頃かな(笑)!





先日の 「暖炉を作る!」 の続き。



1階を Biberschwanz ビーバーのシッポ型レンガ(通常 屋根に使われる特別なもの)で覆った上に、ロームを一面に敷き詰める。



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2階の加重を分散するために、鉄製T字レールを引き、その上にまたビーバーのシッポを載せていく。



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覆った後はこんな感じ。
煙突の前にある穴は、炎の通路。
ここでもう一度おさらいすると、、、炎はメインの空間から、左側の白い保温型のレンガで覆われている通路を通って1階向かい、前回の通路をぐるっと回って、煙突の前にある穴からでてくるという順番。


煙突の左側上部にある土色のものは、断熱用のコンクリート(写真:下)。
暖炉からでた熱が壁の向こう側に行かない様にするためもの。ロームと接着しやすい様に薄めたロームを塗ってあるため、土色になっている。


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そして、また上階のためにロームをしっかりと敷き詰める。



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暖炉のメイン部分を、Schamottenstein  保温レンガで構築していく。



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ここまでくると、やっと暖炉全体がなんとなく見えてくるかな。
暖炉の内側はほぼ完成。煙突前にも断熱コンクリートが積まれている。

さて、この部分はどうなるのか...



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長くなったので、今日はこの辺で〜〜〜

次回こそ、完成図をご紹介します!




3月の終わりのこと。

4月の典型的な天気と言える、
「雪、雹、雨、曇り、強風、日照」となんでもありの、コロコロ様子が変わる中・・・


Backstein-Ofen レンガ製暖炉を新設する。


zimmer
まずは、空の状態


今まで活躍してくれていた機関車風 Bullerjan ブラヤンを脇に置いて、
さぁ作業開始!!


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ブラヤンは今でもかっこいい


初めに、暖炉の大きさに石を置いていく。


gross



Lehm ロームで固定しながら、レンガを積み上げていく。



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積み上げた内側に、炎の通る通路を作る。

この迷路のような煙突までの通路を炎が通っていくと、背中に当たる部分やベンチが暖まって、遠赤外線万歳!の幸せな場所になるのである。


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ちなみに、これらの通路に使用する石は、レンガではなく、レンガを皿に細かくすりつぶして焼いたSchamottensteinという保温性の高い素材。そのため、火が消えた後も翌日の朝まで、暖炉は暖かさを保つのである。



1階部分終了。
蓋をし、ロームを載せ、その上をさらに積んでいく。



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左の奥にある通風口のような穴も、炎の通路。
左前にできる窓から、炎はこの通路を下へ通って、先ほどのベンチの下をグルグルして、煙突の方へ流れていくというプラン。


次回は、完成までのご報告を。
お楽しみに〜


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